リハシード福岡 福岡市

川平法（促通反復療法）と出会った当時、樋口さんは病院の中で課長としてセラピストを束ねる立場にありました。ご本人は「頼まれるとNoと言えないだけ」と謙遜されますが、チーム全体のスキルを向上させる責任感があったことは間違いありません。メンバーたちの「生活における動作も大事だけれど、目の前の患者さんの機能を改善したい」そんな想いに応えるべく数々の研修に参加していました。そしてたまたま出会ったのが「川平法」でした。ほんの数行のニュース記事からその可能性を見出し 思い切って単身研修に行かれたことが、今につながっていると話してくださいました。

樋口さんの柔らかい印象に反して、行動力はかなりのもの。病院に勤務されていた頃も、患者さんのために「ルールにないからやらないのではなくて、その方にとって必要ならやれることを全部やる」という姿勢でした。例えば、パーキンソン病の患者さんが自宅の坂道を歩けるようにするため、自身の仕事の後にひっそりと外で歩行練習をしたり、当時はなかった外出リハビリを提案して、地域の循環バスを使って実際の生活環境に近い形でサポートしたり。

最近でも、リハビリが思うように受けられない方の現状を代弁するべく、議員の方に直談判を行ってきたところだとのことで、秘めたバイタリティは今もその大きさを増しているように感じます。

リハビリは量と質が重要であると言われているように、ご本人のがんばりにご家族のサポートが加わることは強力な後押しとなります。でも、地道な反復練習を続けるうちに本人と家族の間でちょっとした言い争いが起こってしまうこともあるようです。そんな時、樋口さんは間に入って「できた部分にフォーカスしましょう」「そうじゃない、と否定するのではなくこういうふうに心がけて、と声をかけてみましょう」とアドバイスしながら、ご家族も含め意欲が維持できる工夫をされています。樋口さんの指導のおかげで自主トレーニングを毎日続け、半年後には目に見える成果を出すことができた方々もいらっしゃるそう。

樋口さんを中心にご家族も一丸となってリハビリに取り組むことで、トレーニングの量と質のどちらもより高いレベルを保って回復を目指せるのが強みといえます。